
五十嵐雄策
『15歳の憂鬱』
電撃文庫15周年おめでとうございます!
さてさて15にちなんだエッセイということで、今回は自分の15歳の頃の電話事情(?)などのお話をちょっとしてみたいと思います。
当時は1990年代、まだまだ平成も始まったばかりで、今は普及率70%を超えていると言われる携帯電話もまだ存在しておりませんでした。それどころかPHSはおろかポケベルですらまだ全然メジャーではない時代で、友達と遊びに行くのにも前日に待ち合わせ時間や場所などをきっちり決めるのがが当たり前。時間に間に合わなかったり場所を間違えたりするとまったくもって連絡が取れず、その日は出会えないなんてこともごくごく普通でした。
さてそんな電話事情で何が一番困ったのかというと……好きな女の子に電話をする時でした。
今だったらメールなり直接本人の携帯に電話するなりしてどうにでもなりますが、当時は相手の家に直接電話をして本人に取り次いでもらうしか手段がありませんでした。会ったことも話したこともない相手の家族に自分の立場を説明して、不審がる声に耐えつつ本人に替わってもらう……一連のこの作業は、味わったことのある者にしか分からない精神的な辛さがあります。実際私も当時好きだった女の子(Kさんといいます)に電話をしようとして、五回ほど半ばイタズラ電話もどきのことをしてしまったことがあります。呼び出し音が鳴っている時の間に耐えきれずに切ってしまったり、だれかが出ても緊張して何も言えずに切ってしまったり……
一日に五回もよく分からない電話がかかってきたKさん及びその家族はさぞかし迷惑だったことでしょう。なのでこの場を借りてお詫びいたします。すみませんでした。
……何だかものすごく私事の様相を呈してきてしまいましたが、結局何が言いたいのかというと、文明の利器は偉大であるということと、そしてこういった甘酸っぱい(のかはよく考えてみると微妙ですが)経験が色々と人生の糧となって、現在の創作活動に活きているのかも……というお話でした。







