電撃の作家さんたちが、日頃の想いのままを書きつづるこのコーナー。今回は『A/Bエクストリーム』『灼眼のシャナ』シリーズでお馴染みの高橋弥七郎先生が登場だ。ではでは、さっそくど〜ぞ!
第二十一回  高橋弥七郎さん
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生・育・住ともに大阪の純大阪人。第8回電撃ゲーム小説大賞<選考委員奨励賞>受賞作『A/Bエクストリーム』でデビュー。目標・行動指針は相変わらず『小説を書く』のみらしい。

最新作『灼眼のシャナII』は4月発売!





『架空の土台』

 いきなりな出だしで恐縮ですが、去年のお話。
 山口県にある、どこぞの電話会社のパラボラアンテナ基地に行きました。小さな資料館以外は、お皿のようなアンテナしかありません。見に行く前は、ほんの暇潰しのつもりでした。なんせ、ただのアンテナ基地ですから。ところが、行って、見て、驚愕。
 デカいのです。アンテナが、とにかくひたすらデカい。質量の暴力とでも言いましょうか。写真ではまったく実感できなかった存在の巨大さに、圧倒されっぱなしでした。
 富山県にある、宇宙関係の博物館に行きました。そこには、アメリカ初の有人宇宙飛行を成し遂げたロケットの実物大模型があります。見に行く前は、かなり期待していました。なんせ、宇宙行きの乗り物ですから。ところが、行って、見て、また驚愕。
 チッコいのです。期待していたすんごいブースターも、操縦者を乗せる宇宙船本体も、冗談のように小さい。この小ささも、写真ではまったく実感できませんでした。
 これらの体験で、私は自分の脳内視覚……いわゆる想像力が、いかにあてにならないものかを痛感させられました。当たり前の基本ではあってもなかなか行動までは起こせない、実物を見るということの重要性も、同時に。
 こういう、現実における『見えるものの範囲と有り得ることの間合い』を感じ取り、実物の説得力に触れ続けることこそが、逆に架空の物事を書くための土台となるのだと、木っ端もの書きは、本当にまったく今さら、気付かされたのでした。
 ごく最近にも、さほどの高度でもないのに、霧が山間を純白の海のように満たす光景に遭遇したり……これはまさに、『想像だにしない』美しさでした。
 実見万歳。
 でも、海外だけは勘弁な(オチ)。
さ〜て次回は『Missing』シリーズでお馴染みの甲田学人先生が登場するぞ! お楽しみに!