
空ろの箱と零のマリア
転校生の唐突な宣言が、全ての始まりだった──。
御影瑛路が贈る新作登場。
3月。中途半端な時期にやってきた転校生・音無彩矢。そのあまりの美少女ぶりに息を呑む教室の中で、彼女は教壇に立ち、無愛想にただ自分の名前だけを告げた。教室全体が次の言葉を待っていた、その時──。
「星野一輝」
──呼んだのは、何故か僕の名前。
「私はお前を壊すために、ここにいる」
そして、突然の宣戦布告。
ただ超然と、毅然として言い放ち、静かに微笑む彼女の真意は……!?
登場人物
音無彩矢(おとなし・あや)

3月2日、中途半端な時期にやってきた転校生で、超然・毅然とした無愛想な美少女。転校早々、一輝を「壊す」宣言をする。
星野一輝(ほしの・かずき)

日常とうまい棒を愛する、とりたてて特徴もないごく普通の高校生。会ったこともないはずの彩矢から身に覚えのない敵対宣言をされ、何故か「壊す」と敵意を向けられることに。
大嶺醍哉(おおみね・だいや)

髪を銀に染め、右耳に3つのピアスを付けた、傲岸不遜・唯我独尊を地でいく学級委員長。頭が切れる一輝の友人。
臼井陽明(うすい・はるあき)

陽気でさわやか、でもお調子者な野球少年。一輝・醍哉と三人でよくつるんでいる。
桐野心音(きりの・ここね)

友達想いでおせっかい焼きな明るい美少女。醍哉とは幼馴染みで、二人の仲良き罵詈雑言のやりとりはちょっとしたクラスの名物。
茂木 霞(もぎ・かすみ)

一輝が想いを寄せる少女。大人しく無口で無表情。
プロローグ ──全ての始まりの日、3月2日。
1回目
「音無彩矢です。よろしくお願いします」
転校生はわずかに微笑を浮かべて言った。
23回目
「音無彩矢だ。……よろしく」
転校生は淡々と感情を込めず口にした。
1050回目
「音無彩矢だ」
転校生はつまらなそうに誰にも視線を合わせずに吐き捨てた。
13118回目
教壇の上に立つ、音無彩矢という名の、名前をまだ知らない転校生を見る。
「音無彩矢だ」
転校生はクラスメイトに向かって、ただそれだけを呟いた。聞こえなくても構わないと言わんばかりの声量で。だけどよく通る透き通った声で。
──うん。名前、知ってるよ。もちろんその名前は初めて聞いたけど。
誰もが息を潜めていた。そのあまりにも無愛想で、挨拶にもなっていない、簡潔な自己紹介に対してじゃない。たぶん単純に、彼女がそこにいるだけで異質であるような、絶世の美少女だったからだ。
誰もがそんな彼女の、次の一言を待っていた。
彼女は口を開いた。
「星野一輝」
「──え?」
なぜか僕の名前を呼んだ。クラス中の視線が、その理由を求めるように僕に集まる。そんな風に見られても、僕だってその理由が分からない。
「私はお前を壊すために、ここにいる」
彼女は突然、そんなことを言い出す。
「これが13118回目の“転校”だ。その数には私もいい加減いらだっている。なので、今回は気晴らしに宣戦布告しておく」
クラスメイトたちが呆気にとられていることもまったく意に介さず、彼女は僕だけをしっかりと見据える。
「星野一輝。私はお前を屈服させる。早々にお前の最も大切なものを、私に差し出すがいい。抵抗は無意味だ。なぜか? そんなことは簡単だ。私は──」
音無彩矢は、微笑みを浮かべて、続きを言った。
「──どんなに時を経ても、お前の側にいるからだ」
転校生の唐突な敵意。
星野一輝と音無彩矢を取り巻く「繰り返す」世界の謎。
その真意と真相が明らかになる時、謎の深淵は照らされる。
果たして物語と二人の行き着く先は……?

らでぃかる☆ぷりんせす!
新感覚・地球崩壊系ラブコメディ登場!
ごく平凡な、思春期真っ只中少年・柳楽の前に現れた金髪色白の美少女、モニカ。彼女は突拍子も無くいきなり結婚を申し込んできた!
なんでもモニカは異星クレメンツの温室育ちお姫さまで、遺伝子の優劣で婚約をする習慣があるのだという。場の勢いで軽はずみな返事をしてしまった柳楽は、その申し出を断ろうとするのだったが……クレメンツ王家が代々引いている『ヴォルフの血』により、モニカが「絶望」を感じると無条件にありとあらゆる災悪がオンパレードで発生することがわかって──!?
周防ツカサが贈る、新感覚ラブ☆コメディ!
登場人物 ☆Characters
柳楽 淳(なぎら・じゅん)

平凡だが性格だけは常識の斜め上を行く高校生。下校途中、モニカを助けたことから彼はボケからツッコミへの転向を余儀なくされた……だけではもちろん済まなかった。果たして彼の運命は!?
モニカ・ロスチャイルド

金髪が眩しい世間知らずな女の子。異星クレメンツのお姫様で、結婚相手を探していたところ柳楽と出会う。地球の常識などカケラも無い彼女は、いきなり結婚を申し込むが……!?
リリアン・レッドフォード

モニカお付きの側近の一人で、今回の遺伝子所持者探しに同行していた。抜群の運動センスと毒舌を持つ。とある理由により柳楽の存在を疎ましく思っている様子。
朝霧シズホ(あさぎり・しずほ)

柳楽のクラスメイトで想い人。でも接点は何もナシ。しかしモニカが現れてからは、彼女から積極的に話しかけてくるように。その言動や行動には、何か裏がありそうなのだけれど……?
用語 ☆keywords
●クレメンツ
モニカやリリアンの故郷で、全宇宙の四割を掌握しているという女王制の巨大軍事国家。重力が地球よりも大きい星で、ほとんどのクレメンツ人が卓越した運動能力や、丈夫な肉体を持っている。
●ヴォルフの血
クレメンツ王家に伝わる、様々な災害・天変地異を引き起こす力。クレメンツは現在女王のもつこの力で、その勢力を維持している。
●マナフの遺伝子
幸福を呼ぶといわれている遺伝子。ただし単体ではまったく意味が無く、ヴォルフの血と混ざることによってその力を発揮するとされている。柳楽の中に存在している、ということなのだが……?








